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2026.02.26

中南商事株式会社 馮春苗さんにインタビュー

中南商事株式会社
馮春苗さんに

インタビュー


【インキュベートルーム入居者インタビュー】

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話し手:馮さん

【プロフィール】

馮春苗(中南商事株式会社)

中国出身。日本語専攻・交換留学経験を経て来日し、日本での就労経験を積んだのち独立。枚方在住約4年。医薬品の卸売販売を主軸に、医療業界向けの経営・企業コンサルティングも行う。顧客は外国人比率が高く、起業・薬局立ち上げの“ゼロ→一”支援(許可取得の指導/薬剤師紹介など)に強み。ひらっくインキュベートルームを拠点に事業を推進中。

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聞き手:アサカワミト

アサカワ ミト(コミュニティマネージャー)

ひらっくコミュニティマネージャー。受付業務をしながら、施設の紹介、シェアオフィス会員などを始めとした利用者さまへのインタビューなど、つながる場と機会を作っている。ランチ会をはじめとした、交流イベントの企画、司会進行なども担当。

インキュベートルームの入居者さまにインタビュー

枚方市立地域活性化支援センター「ひらっく」は、新たな事業の創出に加え、地域産業の振興を図るため、起業相談や売上アップ、資金繰りなど経営に関するさまざまな相談にお応えしています。

さらに、多くの方の知見を活用できるコミュニティ型の創業支援施設として、創業支援のワンストップ相談窓口となり、専門家による経営相談、人材及び組織の育成支援等を行うとともに、利用者同士が交流でき、ビジネス面での相乗効果が期待できる機会を創出しています。またセミナー・講演会の開催や会議室、セミナールームの貸し出しも行っています。

今回は6階にあるインキュベートルームの入居者さまにインタビューします。

インキュベートルームとは、企業や起業家を支援・育成するために、負担の少ない使用料で貸し出しているオフィスのこと。専任のスタッフが豊富な経験に基づいてビジネスモデルや企業経営のアドバイスを行い、独り立ちを支援しています。オフィスは1年から最長3年まで使用可能です。

そんな6階インキュベートルームの入居者さまから、今回は、中南商事株式会社代表取締役の馮春苗さんにお話を伺いました。

安定していた大手IT企業を辞めて…

ミト:本日はお時間いただきありがとうございます。まずは自己紹介をお願いします。

馮さん:はい。中南商事代表取締役の馮春苗(フウ シュンミュウ)です。お仕事は医療業界向けに医薬品の卸売販売をしています。その他に薬局のコンサルティングもしています。

ミト:馮さん自身はどんなお仕事をされているんでしょうか。

馮さん:会社全体の経営管理とお客様、取引先対応を含めた営業です。

ミト:今のお仕事を始められたきっかけを教えてください。

馮さん:前職では、総務と医薬品の卸売販売の営業を担当していました。前職の経験を今の仕事で活かせていると思います。

ミト:前職は日本ですか?

馮さん:はい。前職は日本です。でも、中国で働いていた時は全然違うIT業界の会社で働いていました。その頃は、日本法人向けに、ソフトウェアの障害が発生したときのサポートをしていました。

ミト:日本に来られたきっかけは?

馮さん:ITの会社で7年間くらい働いていました。働きやすかったんですが、逆に安定しすぎてつまらないと思うようになったんです。それで、仕事を辞めて日本に来ました。

ミト:新しい仕事は日本に来てから探したんですか?

馮さん:はい。日本に来てから自分に何ができるか考えながら探しました。最初はりんくうタウンで、一般のお客様に向けて、サングラスやメガネの販売をしていました。そこではインバウンドのお客様が多く、少し説明するだけですぐ買ってもらえました。そのため、売上は良かったのですが、長時間立つ仕事に慣れず、こちらも3ヶ月くらいでやめました。

ミト:そこから医薬品のお仕事に?

馮さん:いえ、まだです。辞めた後は、またITに戻りました。守口市のパナソニックに派遣で入り、サーバーのメンテナンスをしていました。ただ、日本のIT業界はルールが多く、仕事自体も少し難しいと感じました。

ミト:日本はルールが厳しいんですね。

馮さん:それから、現場はみんな日本人の男性ばっかりで、同じチーム内に女性は一人もいなかったんです。おそらく、女性があまりしない仕事だからかなと思います。ここも自分には合わないと感じて、半年でやめました。

ミト:その後はどうされたんですか?

馮さん:日系だからちょっと難しいのかなと思い、次は中国の会社に入りました。ここが前職です。この会社に私が入った時点では、医薬品卸売の業務はありませんでしたが、社長がいろいろな業務を試していたので勉強になりました。

ミト:では、その会社は医薬品を扱うお仕事がメインではなかったのですね?

馮さん:はい。医療系がメインではありませんでした。ただ、接客やパソコン業務、在庫管理という面でその時の経験は活かせていると思います。

ミト:では、そこでお仕事されて、独立されたのですか?

馮さん:はい。もともと独立するつもりはありませんでしたが、その会社の資金繰りが悪くなって、給料を払ってもらえなくなったので、仕方なく辞めました。その時に、仕入れ先やお客様とつながっていたので、自分でやろうと思うようになりました。

ミト:その会社での馮さんの経験やご縁が、独立する際に活かせたのですね?

馮さん:前職の会社では他にも温泉旅館、中古車販売、旅行、飲食店など、とにかくたくさん手を広げていたので、複数の業界を見ることができました。飲食店や旅館だと、1日中そこにいる必要がありますし、仕事が多いので人件費もかかります。私は少人数で回せる形にしたいと思っていたので、医薬品の卸売なら常に現場にいなくても進められると考えて、医療業界での起業を決めました。

ミト:日本語はいつ学ばれたんですか?

馮さん:結構前ですね。大学が日本語専門だったので、日本に来る前から勉強はしていました。

ミト:日本に来る時には、話ができるくらいの語学力があったということですか?

馮さん:いえ、実は中国で日本語を勉強していても、日本に来たら全然話せませんでした。話せるようになったのは、大学3年生の時に日本に留学した時です。1年間留学し、その時に話せるようになりました。そこからまた帰国して、中国で仕事してから、6、7年後にまた日本に戻ってきました。

ミト:大学生の頃に将来、日本で暮らしたいとは思っていたんですか?

馮さん:そうですね。中国も旅行するのは楽しいですが、生活することを考えると、日本の方が住みやすいなと思います。

ミト:ご出身は中国のどちらでしたか。

馮さん:海南です。食べ物が美味しい場所です。食材本来の味を大事にしていて、味付けも辛くありません。日本の食べ物とも似ているので、日本食も美味しいと感じます。

医療業界を「起業」から支える

ミト:中南商事の強みはどういったところですか?

馮さん:医薬品の販売だけじゃなくて、起業からのトータルサポートができる点だと思います。薬剤師の紹介や医薬品の販売許可をどう取得するかという指導までサポートできます。

ミト:それは、ご自身が起業された時の経験が生きているのでしょうか。

馮さん:どちらかというと、業界のつながりですね。医薬品を扱うには薬剤師が在籍しないと許可が取れません。紹介がないと薬剤師を見つけるのは難しいのですが、中南商事の薬剤師の先生のつながりで、仕事を探している薬剤師さんを紹介できるんです。

ミト:サポートするお客様は、やはり中国の方が多いんですか。

馮さん:はい、中国の方が多いですね。日本人は業界経験がないと、ゼロから始めようと思う人は少ないと感じます。中国人は全く業界の経験がなくても「やってみたい」という人はたくさんいるんです。

ミト:では、今後注力したいことはありますか?

馮さん:今、美容系の医療に興味のあるお客様が多いんですよ。そういう相談も時々来るので、今後は美容系医療への展開も検討しています。まだ、具体的なイメージはできていませんが。

主力商品の相場が急落!交渉した結果…

ミト:ありがとうございます。では、今までのお仕事の中で最大の困難は何でしたか?

馮さん:うちの取引先は、輸出をしている企業が多いんですが、去年の12月から国際情勢の影響で、主力商品の相場が急に40%ぐらい落ちたことでしょうか。

ミト:今もまだ影響がありますよね。

馮さん:はい。中国でもともと大量に購入しているお客様は、販売できないかもしれないと不安になりますよね。だから、在庫を減らすために、一旦購入を止めようという動きになり、価格が落ちてしまいました。そうすると、販売元も在庫を抱えたくないので、お薬の販売価格も安くして売るしかなくなるんです。

ミト:それで、相場が自然と下がってしまったんですね。

馮さん:中南商事も在庫を抱えていたので、仕入れ先やお客様と値段交渉したり、代替商品を案内したり調整しました。大変でしたが、今は少しずつ乗り越えているところです。

ミト:今も現在進行形で、大変な時期なんですね。

馮さん:うちは規模の大きい会社ではないですし、在庫がそんなに多くはなかったので、同業界の他の会社に比べたらまだマシなほうかもしれません。

ミト:急に価格が下がったのを知った時は、どんな気持ちでしたか?

馮さん:赤字になるかもしれない不安がありました。でも、取引先様やお客様が理解してくださり、交渉にも応じていただけました。

失敗することで得意と苦手がわかるようになる

ミト:お仕事をする上で心がけていることがあれば教えてください。

馮さん:いろんなことにチャレンジすることが大事かなと思います。失敗しても自分の経験になりますし、まずやること。頭の中で考えてるだけでは何もならないから、行動することが一番だと思います。

ミト:大事ですね。失敗は怖くないですか?

馮さん:失敗はありますが、失敗を恐れずにチャレンジします。その中で、自分は何ができるか、何が得意か何が苦手かって、自分でわかるようになってくるんです。私は、情報を調べて集めるのが得意だと感じました。いつも自分の意志で判断して行動したいので、マニュアル通りに作業するのは苦手だと気づきました。

ミト:複数の失敗を経験することで、得手不得手がはっきりとわかってくるようになるんですね。今は得意なことがわかって、自分に向いたお仕事になっていますか?

馮さん:はい、なっていると思います。

週2回は仕事から離れて体を整える

ミト:今、仕事のバランスを保つための秘訣はありますか。

馮さん:そうですね。週2回くらいダンスの教室に通って、体を整えています。頭を整理したいときは、帰国したり海外旅行に行ったりしています。

ミト:帰国はよくされていますか?

馮さん:2ヶ月に1回程度です。帰国すると、仕事から離れて、自分の中で気持ちが整理できます。

ミト:ダンスは何をされているんですか?

馮さん:中国舞踊です。昨日も大阪市内でステージがありました。大阪・関西万博にも出ました。体を動かすと、仕事を忘れてリラックスできます。

ミト:バランスよくお仕事されていて、良いですね。

馮さん:この業界は、一日中職場にいなくても良い業界だからだと思います。飲食店や旅館などの仕事だとリフレッシュの休みを取るのは難しいかもしれないですね。

インキュベートルームに入居して一番良かったのは他の事業者との出会い

ミト:では、ここからはひらっくについて、お話をお伺いしたいと思います。このインキュベートルームを見つけたのはどういったきっかけでしたか?

馮さん:インターネットで枚方の起業支援を検索して見つけました。

ミト:枚方市はいつから住まれているんですか。

馮さん:4年前からです。

ミト:枚方には、どういったきっかけで来られたんですか?

馮さん:パナソニックで働いていた時に京阪線を利用していました。それで京阪線の沿線で住まいを探していて、枚方は特急が停まるので通勤しやすいと思って選びました。それで枚方の起業支援を探していたところ、ひらっくを見つけました。

ミト:では、インキュベートルームに入られてから、事業をスタートされたのですか?

馮さん:はい。そうです。

ミト:インキュベートルームに入居して良かったことはありますか?

馮さん:たくさんあります。インキュベートの入居者さんと気楽にコミュニケーションできるのが一番良いところだと思います。私は、普段関わるのは中国人の方が多く、日本人の方との接点はあまりありません。インキュベートの入居者でよくランチ会をしているのですが、さまざまな業界の方がどういう風に事業をされているかを見られるので勉強になります。また、事業計画書の指導も受けられるので、事業の方向性などを整理することができます。

ミト:事業計画書をサポートしてもらいながら書くことで、自分でも事業計画を整理できたということですね。では、このインキュベートルームを、どんな方におすすめしたいですか?

馮さん:これから起業したい人や起業したばかりの方ですね。いろんな面から入居者へのサポート体制が整っているので本当におすすめです。

自分がいなくても事業を回せる仕組みを作りたい

ミト:今後、自分のキャリアやビジネスで達成したい目標はありますか?

馮さん:今後は私が会社にいなくても事業を回せる仕組みを作りたいです。そうすると、私は今後の展開や資金調達について注力できます。そうして、事業を大きく伸ばしていきたいですね。

ミト:最後におすすめの本があれば、教えていただけますか?

馮さん:最近は本はあまり見ていませんが、ネットで勉強しています。インキュベートルームは3年経ったら退去しないといけないじゃないですか。

ミト:そうですね。入居できる期間が最大3年と決まっていますもんね。

馮さん:はい、だから3年後には賃貸ではなく、自宅兼事務所として使える一戸建てを購入しようと思って探しています。調べていると、日本の政策や制度などわからないことが多いので、ネットで勉強をしています。

ミト:戸建ての自宅兼事務所を探しているのはどうしてですか?

馮さん:自宅が事務所なら通勤時間を減らすことができるからです。住宅と事務所の両方を賃貸にすると、月に10万円から15万円ぐらいかかると思います。そうすると15年くらい住むと約3000万円近くになる計算になりますよね。そうしたら中古の一戸建てを買えるんじゃないかなと思って、制度や費用を調べているところです。

ミト:プライベートもお仕事も充実されていますね。

馮さん:いえいえ、1年で十数億くらいの売上を出している企業もあります。うちは規模も小さいですし、まだまだです。

ミト:今日はありがとうございました。馮さん自身が体やメンタルを大事にしておられるのがとても素敵だと思いました。価格変動の大変な局面でも、取引先やお客様と丁寧に向き合い、代替案を出して乗り越えていく姿勢に、馮さんらしさを感じます。医薬品の卸売にとどまらず「起業のゼロから一を支える」視点で動かれている馮さん。これからの展開も楽しみにしています。

馮さん:こちらこそありがとうございました。

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