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2026.07.20

有限会社フォレスト代表 近成卓哉さんにインタビュー

有限会社フォレスト
代表近成卓哉さんに
インタビュー


【起業街道 枚方塾受講生インタビュー】

話し手
近成卓哉さん(有限会社フォレスト)

有限会社フォレスト代表取締役。学習塾HABITOを運営し、15年以上にわたり子どもたちの学習支援と目標達成をサポートしている。現在は生駒市・宝山寺にある断食療養所「静養院」の運営にも携わり、断食やデジタルデトックスを通じた心身の健康づくりにも取り組む。「人の目標達成を支援すること」をライフワークとし、教育と健康の両面から挑戦を続けている。

経営指導員
高崎健太(地域活性化支援センター管理部管理課ひらっく)

某金融機関で13年間勤務後、北大阪商工会議所に入所。創業・経営相談を通してビジネスモデルや資金調達、マーケティング戦略、事業計画書の助言を行う傍ら、ひらっくのコミュニティマネージャーとしてイベントや企画運営に携わり、インキュベートルームの担当も行っている。

聞き手
村西朱夏

ひらっくスタッフ。受付業務をしながら、施設の紹介、シェアオフィス会員を始めとした利用者さまへのインタビューなど、つながる場と機会を作っている。オシゴトークをはじめとした、交流イベントの企画や月刊ひらっく新聞なども担当。

書き手
大澤リサ(さわ/フリーランスライター)

企業の取材・インタビュー記事を軸に、採用・広報コンテンツなどを執筆している。強みは、聞き手として相手の言葉を引き出し、話すだけで広報・採用に使える文章へ落とし込むこと。自身もひらっくを利用し、経営相談などを通じてサポートを受けている。

若手起業家支援事業「起業街道 枚方塾」受講生にインタビュー

枚方市立地域活性化支援センター「ひらっく」では、新たな事業の創出や地域産業の振興を目的に、起業相談や経営相談、売上アップ、資金繰りなど、事業に関するさまざまな相談に応じています。

その取り組みの一つが、若手起業家支援事業「起業街道 枚方塾」です。枚方市内に在住・在学・在職している方、または枚方市内で事業を実施予定・実施中の若手起業家を対象に、事業計画のアドバイスや専門家による伴走支援を行い、創業や新規事業への挑戦を後押ししています。

「起業街道 枚方塾」とは

枚方市でさらなる飛躍を目指す若手起業家のための、実践的な伴走型支援プログラムです。「既存事業をブラッシュアップしたい」「新規事業を立ち上げたい」と考える経営者や起業予定者を対象に、約9ヶ月間(全6回の研修)にわたって専門家が手厚くサポートします。また、各受講者に専属のメンターが付き添い、地域経済への貢献と活性化を目指し、伴走支援を行います。

「起業街道 枚方塾」名前の由来

近世初めに京街道として整備され、東海道品川宿から数えて56番目の宿場町として賑わった枚方宿。この地に受け継がれる商いの芽を育て、起業の道を開くプログラムとして「起業街道 枚方塾」としました。

詳しくはこちら https://www.hirakata-kassei.jp/sogyo_youth/

そんな「起業街道 枚方塾」の受講生から、今回は、有限会社フォレスト代表の近成卓哉さんにお話を伺いました。

規模拡大で力尽きた過去と「都市的狩猟生活」

「誰かの目標達成を支援する」をテーマに掲げる有限会社フォレストの近成卓哉さん。学生起業から多店舗展開を目指すも力尽き、一度は塾経営から離れて「力仕事」に没頭、さらには「都市的狩猟採集生活」という独自の価値観に行き着く。

そんな近成さんが、この度、枚方の若手起業家支援事業「起業街道 枚方塾」に参加し、改めて経営を学び直されました。

本記事では、利益や規模拡大を手放した近成さんの軌跡と独特な仕事観を伺いました。

「誰かの目標達成を支援する」学習塾とデジタルデトックス

村西:本日はありがとうございます。早速ですが、自己紹介をお願いいたします。

近成さん:有限会社フォレスト代表の近成卓哉です。寝屋川で約15年くらい、学習塾「HABITO」を運営しています。塾と並行して、大正7年に創立された「生駒静養院」という断食の施設で、デジタルデトックスコースも担当しています。

村西:断食……!

近成さん:生駒静養院は体を心をただ休ませるための施設です。この施設と今やっている塾は繋がっているんです。僕は「誰かの目標達成を支援する」ことをテーマにずっと活動してるんだと思ってます。

村西:塾とデジタルデトックスの宿泊施設、両方をされているんですね。ハビットって……

近成さん:読み方はハビトなんですよ。「habit」って英語がありますよね。あれに「o(オー)」がつくんです。

村西:塾の対象はお子様ですか?

近成さん:中学生がメインの補習塾です。小学生と高校生もいます。アルバイトの子が休んだりしたら僕も教えますし、自習室管理みたいなこともしています。

村西:近成さんはどのくらいの頻度で行かれているんですか?

近成さん:週3くらいです。予約の状況にもよりますが、なるべく行くようにしています。掃除や修繕もめっちゃありますし、DIYしたり、草刈りしたりもしています。

村西:教室はどんな感じですか?

近成さん:広いですよ。3、40部屋ぐらいあって、見た目は築100年ぐらいの木造の古い小学校みたいな建物です。畑もやっていて、子どもにも来てもらっています。

やりたいことがたくさんあるので、最近はちゃんとメモするようにしました。やりたいことは3つぐらいまでにして、これ以上は増やさない。減らさない。

インスタとかホームページにも興味を持って、断食療養所の更新は僕がやってます。ちなみに、塾のほうは業者に任せています。「ブログ更新してください」ってずっと言われてるんですけど、全然できないですね。

村西:私も似たタイプなのでわかる気がします。アンテナが常にあって、ピンとなったら気になるって感じでしょうか?

近成さん:いや、ピンともなってないんですけどね。全部に反応してるだけです(笑)。

白いスーツの恩師に憧れて

村西:HABITOを始められるまでは何をされてたのですか?

近成さん:HABITOを始めたのがそもそも学生の時なので、就職はしていません。アルバイトはしていましたけど。

村西:学生の時に起業されたんですね。

近成さん:はい。最初は1部屋でやっていたので、起業というほど立派なものでもないですけど。家庭教師より効率いいなぐらいで始めました。

村西:それはおいくつの時ですか?

近成さん:大学には7年いたので、25歳ぐらいでしょうか。

村西:大学では何を学ばれてたんですか。

近成さん:理学部みたいな学部で、数学を研究してました。まあ、一応はい、数学ですね。

村西:じゃあ、もともと教えることは好きだったんですか。

近成さん:塾の同級生や妹に教えたりはしてました。浪人した時に予備校に行って、先生を見てめっちゃいいなって思ったんです。

白いスーツを着てるんですけど、むっちゃ汚いんですよ。白衣じゃなくて白いスーツですよ。その先生は駅までみんなで歌いながら帰るみたいな方で、そんな自由さがかっこいいなと思いました。

最初は予備校の先生になりたかったんですが、大卒でいきなりなれないから、普通に中学受験とか高校受験の塾講師、集団指導をやるっていうので始めたってかんじです。

近成さん:もともと塾をやりたかったわけではなく、就職活動もしないとな、とは思っていたんです。大学内で古本を売る仕事もしていました。大学の教科書っていらなくなるじゃないですか。それを売るサイトを作って売っていたんです。

村西:それも学生の時ですか。

近成さん:はい、そうです。最初に売り上げた時は嬉しかったですね。仲介料だから、100円とか200円ぐらいなんですけど、めっちゃ嬉しいんです。そんな事業を作ってる時がめっちゃ楽しかったです。プログラミングに興味を持って、一切わからなかったんですが、動いた!というのが嬉しくて、2日ぐらいずっと手打ちしてました。いろいろやってみたんですが、塾の講師をしているほうが生活できそうと思うようになったんです。就職したくないという気持ちもあったんですけどね。したくないというか、できない。

村西:いろんなことをやりたいからですか?

近成さん:会社員はできないですね、多分。一応、就活はしたんですよ。そうしたら、親がびっくりしてました。「え、拓也が就活してる!できるの?」って。そのぐらい期待されてない感じでした(笑)。

村西:就活してみても違うと感じましたか?

近成さん:そうですね。就活も違ったし、会社員は向いてなさそうだと思いました。塾がうまくいったのも意味があるような気もしますね。

塾経営の停滞期を救ったのは「肉体労働」?

村西:これまで15年ほど事業を続けられてきた中で、一番大変だったタイミングはいつ頃でしたか?コロナ禍などは大丈夫でしたか?

近成さん:コロナ禍は意外と大きな影響はなかったですね。学校が休みになった分、「むしろ塾に行ってくれ」という感じでしたし。どちらかというと、最初は勢いでバーッと生徒数が増えたものの、それがちょっと止まった時がしんどかったかもしれません。

村西:なるほど。生徒数が伸び悩んだ時期ですね。それは起業されて何年目ぐらいの頃ですか?

近成さん:3年目ですね。

村西:3年続けられるだけでもすごいと思いますが、壁を感じる方も多いんでしょうね。その時期はどのように乗り越えられたのですか?

近成さん:その時は、全然違うことをしました。5年目くらいだったかな、塾から1回めっちゃ離れた時期があったんですよ。全然違う力仕事にハマってしまって、「こっちの方が自分に向いてるな」なんて思ってました。

村西:力仕事ですか?

近成さん:はい、荷揚げっていう仕事で、建築資材みたいなものをひたすら運ぶんです。体を動かして、自分が成長していく感じが楽しかったんです。塾がしんどくなったのは、売上云々ではなく、自分の中で少し停滞感があったというか、飽きがきて面白くなくなっていたからだと思います。でも別のことをしてみたら、エネルギーが湧いてきて体調も良くなったんです。

村西:その間、塾の運営はどうされていたんですか?

近成さん:私が力仕事で疲れ切って爆睡している間に、アルバイトの先生たちが勝手に授業を始めていたり、授業の振り替えまでしてくれていたりしたんです。今思うとあまり良くない状況ですが、それで元気になれたようなところはありますね。

村西:病んでしまうのではなく、別のことをしてエネルギーをチャージされたのですね。アルバイトの先生たちにお任せできる信頼関係もあったのだと思います。

近成さん:先生たちは「しょうがないな」と思ってやってくれていたんだと思います。塾の先生をやってくれる人って、基本的にはしっかりした良い人が多いんですよ。私がコンタクトレンズの保存液をずっと変えずに使っていたら、「やばすぎる」と注意して新しい液を買ってきてくれたり(笑)。

村西:先生たちのサポートもあって、エネルギーを取り戻して、「もう1回やろう」と思えたんですね。戻った時に、やっぱりこの仕事が合っていると感じましたか?

近成さん:そうですね。自分自身のエネルギー状態は生徒にも直接影響します。自分が元気な状態だと、教えるのが楽しいと感じるようになりました。

村西:今は寝屋川に塾がありますが、以前枚方にも塾を出されてたんですよね。今は閉められたとお伺いしていますが、枚方という地域で起業するメリットやデメリットを教えてもらえませんか?

近成さん:僕は枚方生まれなんです。程よい自然と、都会がちょうどいいバランスなので、どこでもいいから住んでって言われたら、枚方に住む気がします。遊ぶにしても、枚方内である程度楽しめるし、おしゃれな感じがするからいいなと思います。

村西:枚方は人が多いし賑やかなイメージがありますね。寝屋川でずっと塾を運営されていて、枚方に開かれた時に何か違いは感じましたか。

近成さん:全体的に子どもの学習に対する親の意識が高いと感じました。進学塾をやるなら枚方の方がいいと思いますね。僕の本当にやりたい塾はどっちかっていうと進学塾なので、いずれは挑戦できればと思っています。

村西:差し支えなければ、枚方の塾を閉められた理由を教えていただけますか?

近成さん:アルバイトが回らなくなったのが一番ですね。それから、生徒が分散しちゃって生徒数も増えなかったのもあります。

できれば、自分が全部見て回りたかったんですが、自分一人であっち行ったりこっち行ったりするのは、現実的に無理でした。それで塾長を立てたり、新しく雇ったりなどを考えつつ、1回立て直そうと決めました。

村西:個人で塾を始められて2店舗3店舗となると、それぞれの塾長が必要だと思いますが、そこから組織にするのは大変そうですね。

近成さん:その時に、きらら創業実践塾を知ったんです。どうやって、塾を回していけばいいのか、勉強したいと思いました。

思いつき経営から脱却

村西:ひらっくの「きらら創業実践塾」には、どういったきっかけで入校されたんですか?

近成さん:今までは個人でやっていましたが、経営についてを改めてきちんと学びたいと思ったのがきっかけです。

村西:それは検索して探されたんですか。

近成さん:いえ、「ひらつー(枚方つーしん)」の記事でおすすめと紹介されていて。

村西:なるほど。

近成さん:でも、その時はタイミングが合わなかったんです。でも、その時に開催されていた「きらら創業実践塾」の授業で一般開放されていた「ドリームボード」に参加しました。そこで出会った真田先生の話がめっちゃおもしろかったんです。それで次年度は絶対に応募しようと決めました。

村西:近成さんは、すでに事業を運営されながらの受講だったと思いますが、どんなことを学びたかったんですか?

近成さん:事業の作り方や経営の基本を全く知らなかったので、一般的にはどうしているのかを知りたかったです。

村西:通ってみていかがでしたか?

近成さん:それまでは何も考えず経営していたので、何を教えてもらっても勉強になりましたね。言葉としてはマーケティングって名前は聞いたことあったけど、それを現実に落とし込めるぐらいの理解度になったかなと思います。

村西:具体的にはどんなことが勉強になりましたか?

近成さん:意外とテクニック的なことじゃなくて、なんでやるのかとか、自分自身の思いの部分やお客さんの心理に注目するんだなと思いました。今までそんな発想はなかったな、と。

村西:お客さんが何でこうしたいのかとか、購買意欲とかそういうところが実は大事なんですね。では、逆に研修の中で大変だったことがあれば教えてください。

近成さん:プレゼンの準備をするのが大変でしたね。締切に追われて、ひどいクオリティの時は15分ぐらいで準備したものを提出したこともありますけどね(笑)。

村西:即断即決ですね。

近成さん:いつも突っ走るタイプで、冷静に止まって考えることがないので、強制的に考えさせられるのはありがたいと思います。

村西:確かにそうですね。課題として出さないといけないから考えるアウトプットの機会になりますね。

高崎:創業実践塾卒業後、さらなる高みを目指して、「起業街道 枚方塾」の受講生として参加していただきました。「起業街道 枚方塾」は6回あって、毎回お題を出させてもらっています。参加される方みなさん一緒で、この課題の提出が本当にギリギリなんですよ。

近成さんはいつも当日でしたし、最初は焦りましたがだんだん慣れてきました(笑)。そういった意味でも、みなさん似たもの揃いでいいメンバーだなと思っていました。

近成さん:仲良かったですよね。

高崎:そうですね。難しいお題で他のメンバーが黙ってしまっても、近成さんはいつもすぐ発言してくださったので、本当にありがたかったですね。受講生の中でも中心的な存在だったと思います。

近成さん:みなさんがそういうのを面白がってくれたからだと思います。

村西:他の方の発表を聞いて勉強になったことはありますか?

近成さん:業種も違うし、建築とか難しくて何言ってるかわからなかったですが、実際に行動している人の話を聞けるのはすごいありがたいです。

「めっちゃ頑張ってるやん」「体、大丈夫?」とかね。具体的に何かというよりは、エネルギーをもらいましたね。自分に対する厳しさを感じました。

お堅い名前に反してほんわか「起業街道 枚方塾」

村西:事務局の高崎さんが良かったところなどあれば、教えてください。

近成さん:僕は結構抜けてるんで、めっちゃフォローしてくれて助かりました。高崎さんが僕だけ徹底マークしてるのか、全員にやってるのかちょっとわかりませんが(笑)。

高崎:全員ですね。ちゃんとまんべんなくやってます(笑)。

近成さん:提出物の期限とか、集合場所も結構間違えました。最初1発目で間違えましたから(笑)。枚方信用金庫くずは支店で開催なのに、きららに行っちゃって。

自由にさせてくれる感じにすごく感謝してます。そういう柔軟性がありがたいです。

村西:はじめて問い合わせる時は、もっとお堅いのかなと思われがちかなと思うんですけど、中の人はこんな感じと伝えられたら、みなさんももう少し相談しやすいかなと思いますね。

近成さん:確かに。顔を明かしてる人が多いですし「日常系のブログやってください」って言ったこともあるんですけどね。ほんわかしている職員さんが多いですから、そこが伝わってほしいですね。名前が「起業街道 枚方塾」と漢字で硬いですし(笑)。

高崎:「会議所」も硬いですもんね。

村西:がっちりこう準備して行かないとダメなのかなって思っちゃうんですけど…。

近成さん:僕も、枚方塾という入口があったからこそ、相談にも来やすくなったところもあります。1回行ったらわかると思います。

規模拡大を目指し力尽きた過去と「都市的狩猟生活」

村西:経営を学んでいく中で、価値観に変化はありましたか?

近成さん:最初の頃は、とにかく稼ごうとしてたんですよ。「経営者やから稼がな」とか「事業をでかくして」「何店舗も出して、売上あげて、人雇って」みたいなイメージだったんです。

まあ、それでいける人はいけると思うんですけど、僕の場合はそれを目指したことで、力尽きてしまったんです。その頃に出会ったのが、「都市型狩猟採集生活」(坂口恭平著)という本でした。

村西:都市型狩猟採集生活ですか?

近成さん:そうです。現代社会にちょっと疑問を持っていて「なんで家を買うためとかにこんなにお金使わなあかんのか」「いくらでも資源はあるのに、なんでこんなにやりたくない努力をしなければならないのか」という考えの方が書かれた本です。再建築不可の安い小屋を作って、安い畑を借りてそこにポンって置いて住んだりするんです。

ホームレスの研究もしていました。ホームレスの方って意外と楽しそうに暮らしてるんですよね。なぜかというと、お金で物を買ったりして済ますよりも、いろんな工夫をして、今ある資源で生きていくこと自体をそもそも楽しいと思っているからなんです。

村西:どうやってその本に出会われたんですか?

近成さん:坂口さんと同じようなタイプの仲間に「この本読め」って言われました。現代社会のルールをちょっと上手に利用して、お金がなくても自由に楽しんでいこうという思考に衝撃を受けました。

村西:せっかく起業したなら稼ぎたいって思うのは当たり前ですけど、それが自分にとって一番幸せか、何のためにやってるかを振り返らせてくれる。ターニングポイントになったんですね。

近成さん:そうですね。なんかそういうのをやりたいと思ったら動きやすくなった気がします。僕は飽きやすいタイプなのに「塾はなぜこんなに続けられてるんだろう」と考えたら、お金の面もあるけど、それだけじゃないと思うんです。

村西:お金だけなら続かないですよね。

近成さん:他の仕事いくらでもあるし、めっちゃ儲かってるわけでもないですし。

村西:方法はいっぱいあるけど、なぜそれを選んでいるのかを考えると、そこに答えがあったと。

近成:そうですね。「塾長でずっといよう」と思ってたけど、「別にそれだけじゃない」って、他のことにも応用できるなって思ったんです。

それでデジタルデトックスの方とか、畑のこととかにちょっと近づいていったところもあります。楽しくやらせてもらってるし、事業同士のシナジーも生まれてる感じがします。

村西:大切にしている軸があると、違うことにも挑戦できますね。

近成さん:そうですね、今はバラバラな全体をまとめ上げたいなと思っています。価値観が変わったから、経営方針も変わるじゃないですか。

村西:どのように変わったのでしょうか?

近成さん:例えば「100店舗展開」とか「上場」みたいな、でかくすればするほどいいっていうのが基本目標みたいなのも一理あるんですけど「それだけじゃない」っていうところを認識しました。

一度拡大しようとして無理やったり疲れたりしたからこそ思ったんです。最初から「儲からんでいい」というのはまた違う気がするので、一応儲けようとはした方がいいと思うんです。

でも、ただ規模を追うのではなく、経営の中でも工夫して「大切なことを大切にしながら経営していく」みたいな感じに変わってきました。

出会いをシナジーに変える

高崎:塾で、アートの教室をされている森さんと繋がったこともすごく良かったかなと思っています。

村西:高崎さんがご紹介されたんですか?

高崎:はい。私が新事業の立ち上げで近成さんにヒアリングさせてもらった時に、アートの得意な森さんをご紹介できるかなと思って、近成さんの学校に一緒に行きました。

近成さん:森さんが、HABITOの1室を間借りして教室をされています。

高崎:塾とアートのコラボ的なかんじですね。

村西:近成さんのところの子どもたちも、ガリガリ勉強だけではなく、アートも学べますね。

近成さん:ちょっと多様性を認めるベースの考えが似ていると思いますね。森さんとは目線が同じだから一緒にやりやすいです。

高崎:起業塾に参加された方に何かしらご紹介したいのもありますし、それぞれ4人の特色を見極めながら、この人とこの人が交じり合えばうまくいくのかなと考えながらやらせてもらっています。

「起業街道 枚方塾」は1年もありませんが、できれば近成さんの新事業の立ち上げには最後まで携わっていきたいと思っています。引き続きひらっくでも伴走支援していきたいなと思っています。

近成さん:他にも高崎さんには創業塾に参加された方をご紹介いただいて、今うちで週1回の塾長代理をしてもらってます。元々講師されてた方で、家庭教師で最初起業すると言われていたんですけど、自分で塾を始められたんです。引き込もうと思ったけど、能力が高すぎて無理でした(笑)。

村西:引き抜く前に一人立ちしたみたいな。

近成さん:やっぱいい人は引く手数多ですもんね。でも、週1でも来てくれているので、助かっています。普段そういう方に出会うことがないですから。

村西:1人でやっていると、人との出会いが一番難しいんじゃないかなと思います。信頼してる人からの紹介というだけでハードルがなくなりますよね。しかも高崎さんなので、安心してみんな相談できるんじゃないかなと思います。

インタビューは以上です。本日は、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

公式サイト:HABITO

編集後記

「規模拡大だけが正解ではない」。近成さんの言葉に、同じ枚方を拠点に活動するフリーランスとして深く共感しました。日々の業務に追われると、つい「何のために働くのか」を見失いがちです。自分の軸を持ち、「ひらっく」のような温かい地域のつながりの中で進んでおられる近成さんのお話を伺って、私自身もご縁を大切に自分のペースで進んでいきたいと思いました。

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