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2026.07.25
WESTRAT'Sの山本憲慶さんにインタビュー
WESTRAT'S
山本憲慶さんに
インタビュー
【創業相談インタビュー】

話し手
山本憲慶さん(WESTRAT'S)
大分県出身。美容学校卒業後、大阪へ。美容師を15年(店長を5年務める)、35歳で理容師へ転向。理容師8年目(現在、某店舗で店長として勤務)。8月中旬、光善寺でWESTRAT'S開業。趣味はバイク(ハーレーダビットソン)でバイク好きです。是非お立ち寄り下さい。

経営指導員
高崎健太(地域活性化支援センター管理部管理課ひらっく)
某金融機関で13年間勤務後、北大阪商工会議所に入所。創業・経営相談を通してビジネスモデルや資金調達、マーケティング戦略、事業計画書の助言を行う傍ら、ひらっくのコミュニティマネージャーとしてイベントや企画運営に携わり、インキュベートルームの担当も行っている。

聞き手
村西朱夏
ひらっくスタッフ。受付業務をしながら、施設の紹介、シェアオフィス会員を始めとした利用者さまへのインタビューなど、つながる場と機会を作っている。オシゴトークをはじめとした、交流イベントの企画や月刊ひらっく新聞なども担当。

書き手
大澤リサ(さわ/フリーランスライター)
企業の取材・インタビュー記事を軸に、採用・広報コンテンツなどを執筆している。強みは、聞き手として相手の言葉を引き出し、話すだけで広報・採用に使える文章へ落とし込むこと。自身もひらっくを利用し、経営相談などを通じてサポートを受けている。
経営相談利用者にインタビュー

ひらっくの経営相談は、創業や新規事業の立ち上げ、法律・税務・労務・ITなど、経営上のさまざまな疑問や悩みについて相談できるサービスです。「一度誰かに相談してみたい」「他の人の客観的な意見やアドバイスを聞いてみたい」と思われたときに無料でご利用いただけます。
相談内容をスタッフがお伺いし、内容により専門のアドバイザーと協力して対応いたします。原則ひらっくでの窓口相談になりますが、枚方市役所での相談、貴社に訪問しての相談やオンライン相談も可能です。
なお、専門家相談の相談員は常駐ではありませんので、必ずご予約をお願いします。まずはお電話等でご連絡ください。
今回は、ひらっくの経営相談を利用し、理容室「west rat's」の開業準備を進める山本憲慶さんにお話を伺いました。
(写真左山本さん ・右 ひらっく高崎)
美容師、理容師として長年現場に立ってきた山本さんですが、経営についてはまったくの未経験。
奥様との話し合いや自己資金の準備、創業計画書の作成、融資、物件探しなど、開業までにはいくつもの課題がありました。
それらをどのように乗り越えてきたのか、創業を決意したきっかけや、ひらっくで受けた支援、枚方市光善寺で開業する理由、今後の目標などについて伺います。
美容師から理容師へ|光善寺で開業を決めた理由

村西:まずは、自己紹介をお願いします。
山本さん:山本憲慶です。美容師を15年、現在は理容師として7年目になります。今は理容室で勤務しており、8月に開業予定です。
本当は令和8年8月8日に合わせたかったのですが、物価高騰や職人さんの手配などの都合で希望は叶わず、翌週の8月17日か18日のオープンを目指して進めています。
村西:ご出身は大分県とのことですが、大阪で開業される経緯をお伺いしても大丈夫ですか?
山本さん:大分の美容学校を出たのですが、その際の外部講師が香里園にお住まいで、その先生を頼って大阪に来ました。
妻のお店が香里園、先生のお店が南船場にあったので、そこからその2つの店舗を行き来して経験を積んできました。
実家も美容室をやっているので、最初は少し修行してから実家に帰ろうかなと考えていたんですが、また流れが変わりまして。
美容師より理容師の方が自分には合っているかなと思い始め、今住んでいる光善寺で理容のお店を持ちたいと考えるようになりました。

村西:美容師を15年されて、そこから理容師に移られたのですね。美容師と理容師の大きな違いは何でしょうか?
山本さん:カミソリを持てるか持てないか、お顔剃りができるかできないかが、大きな違いだと思います。
男性のお客さんの方が私には合っているかなというのと、専門的なスタイルを作るのが面白かったので、そういう部分で理容師を選びました。
村西:ご自身で創業しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
山本さん:光善寺には、九州から出てきて22年住んでいて、率先して地域を盛り上げていきたいなと思ったのがきっかけですね。
美容室は多いですし、散髪屋さんもあるのですが、年配の先生が多く若手がいないと感じていたので。
村西:22年住まわれている地域への愛着もあるのですね。このタイミングで創業を決めた理由はありますか?
山本さん:光善寺はどんどん人が増えている一方で、入れるテナント物件が少ないんです。だから、物件があるうちにというのも一つのタイミングかなと思って決意しました。
開業への最初の壁は経営知識と自己資金

村西:創業にあたって、最初につまずいたことや、難しいと感じたことはありましたか?
山本さん:現場に立ってパフォーマンスすることは得意なんですけど、ビジネスや、開業するにあたっての経営の勉強については知識が全くなかったので、そこが難しかったですね。
村西:ひらっくに経営相談に行ってみようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?
山本さん:母からの勧めです。確定申告の時期などに、母親がよく商工会議所に経営の相談に行っていたそうなんです。
その話を聞いて、専門の方に相談した方が近道かなと思って、ひらっくさんに連絡させてもらいました。
村西:高崎さんは、最初に山本さんから相談を受けられたとき、どのような印象を持たれましたか?
高崎:山本さんご自身は創業したいという思いがとても強かったのですが、一緒に来られた奥様が少し心配されている様子でした。
一度ご自宅に持ち帰って、ご夫婦でお話しいただいた結果、「創業するのは今のタイミングではないのでは」という話になりました。
実はそこから半年ぐらい、なかなか話が進まなかったんです。

村西:そうだったのですね。
高崎:そこで、その時間をじっと待つのではなく、創業の準備に充ててみてはどうですかという話をさせてもらいました。
店舗を見に行くこともできますし、事業を始めるにあたっての自己資金を貯めていくこともできます。
それがある程度見えてきたときに、もう一度、奥様に相談してみてはどうかとご提案しました。
山本さん:僕の気持ちだけが動いていて、現実的な話をしてみると、自己資金が足りていなかったんです。
村西:自己資金はどのように準備を進められたのですか?
山本さん:半年間、お金の管理をすべて妻に任せて、自分のお小遣いだけをもらい、僕はひたすら仕事をして資金を貯めました。
その半年間で自己資金の部分がだいぶクリアになり、動いてもいいかなという段階に移れたので、妻にも納得してもらえました。
担当者が代わらず、何度でも相談できる安心感

村西:実際にひらっくの経営相談を利用されて、いかがでしたか?
山本さん:個別に相談できることに一番の安心感がありましたね。
最初から最後まで高崎さんが担当してくれました。担当する人が代わらないので、話もブレず安心でした。
村西:どのくらいの頻度で相談されていたのですか?
山本さん:僕もちょっと気持ちが焦っていた部分があったので、多いときは1週間に1回で、2、3日に1回電話を入れたりして、ご迷惑になるくらい対応していただきました。
ほかのスタッフの方も私の名前を覚えてくださって、「あ、高崎さんですね」と言われるくらいでしたね。
村西:それは、どのくらいの期間だったのですか?
高崎:期間としては2、3カ月くらいですね。朝一や夜遅い時間のときもありました。
創業計画書の書けない部分を一緒に埋めていく

村西:経営相談では、具体的にはどのようなお話をされたのでしょうか?
高崎:創業計画書をすべて書けたら、創業へ向けてワンステップ進めるというお話をさせていただきました。
山本さんはご自身で6割近く書けていらっしゃったのですが、資金調達の箇所や、今年と来年の業績予測の部分がなかなか書けなかったため、そこは山本さんの状況に合わせながら、一緒に計画を作っていったかんじですね。
村西:融資の金額についても、一緒に相談して決められるのですか?

高崎:はい。開業初日からお客さんが確実に来る保証はありません。
融資については、最低限必要な金額にするのではなく、余力を持った運転資金を含めてご提案しています。
山本さんの場合は、私から金融機関さんに「こういう資金計画で、これだけの経験とスキルを持った方がいらっしゃいます」と事前に打診させていただきました。
もちろん、私たちが間に入って相談したからといって、確実に融資が通るわけではありません。
ですが、金融機関側が求めている明確な情報を事前にしっかりとお伝えすることで、融資の可能性を広げるためのサポートをさせてもらっています。
村西:専門家がワンクッション入って、必要な情報を整理して伝えてもらえるのは安心ですね。
自己資金が半分になるところだった

山本さん:最初は借金への不安もあって、借りる金額をなるべく低く抑えようとしていたんです。
でも、実際に準備を進めていくと、見えていなかった出費がどんどん出てきました。
高崎さんが提案してくれた金額にしていなかったら、僕の持っていた自己資金が確実に半分くらいなくなっていた状況だったと思います。本当に余力を持った動きができてよかったです。
村西:経営相談を受ける前と後で、変化はありましたか?
山本さん:自分で一から始めようと思ったら、もっと時間がかかっていたでしょうし、専門の方に相談することが一番の近道だったなと思いますね。
次に何をすればいいかが明確になりました。

村西:具体的には、どのような勉強をされましたか?
山本さん:自宅でeラーニングを受けて、「経営の仕組み」を勉強させてもらいました。
村西:受講していかがでしたか?
山本さん:まったく知らないことだったので、受けてよかったです。
本当に何も知らない人が見ても、すっと入ってくるような内容でした。動画で映像も一緒についてくるので、言葉だけよりもすごく分かりやすかったですね。
村西:特に印象的だったことや、勉強になったことはありますか?
山本さん:「販路開拓」ですね。商品をお客様に伝えるまでの流れが一番勉強になりました。これまでは、物を仕入れて売るまでの流れはすべて会社任せだったんです。
でも、これから自分たちで経営していくとなれば、商品がお客様に届くまでの仕組みを一から考える必要があります。
たとえば、理容室ならではのシャンプーやトニックなどを、実店舗でお客様に説明し、実際に体験していただき、長く使ってもらう。
そういった一連の仕組みづくりをしっかり勉強していかなければならないと気づかされました。

高崎:山本さんは長年培ってこられた確かなスキルをお持ちです。また、他店に対抗できる「低価格でのご提供」という大きな武器もすでにそろっていました。
ですので、eラーニングについては、経営の基礎知識のおさらいとして見ていただくのがいいかなと思っていました。
村西:ひらっくの特定創業支援を受けたことで、ほかにもメリットはありますか?
高崎:主に融資の金利引き下げが一番のメリットですね。あとは今回、店舗をお借りされるので、家賃等に使える「テイクオフ補助金」が使えるようになります。半年間、上限1万円です。
さらに販路開拓の面でも、「創業型補助金」を活用すれば、通常枠の50万円から200万円まで引き上げができるので、今後1年の間に必要があれば、一緒に計画を作って支援していきたいと思っています。
村西:物件探しは、どのように進められたのですか?
山本さん:去年の5月に、ポンと良さそうなテナント募集が出たのですが、まだ創業するには難しい状況だったので見送りました。
丸1年たって、創業できそうだと思ったときには、その物件は1週間前にほかの方に決まってしまっていたんです。
でも、その後、また別の物件がポンと出てきたんです。それで、そこに決めました。
子年と、サビたバイクの「west rat's」
村西:お店の名前「west rat's」の由来を教えてください。
山本さん:ウエストは関西で、ラッツは僕が子年(ねずみどし)なのが由来です。
高崎:ネズミの先頭を走っていくということですね。
山本さん:ちょっと違いますけど(笑)。
村西:お店の名前は、すぐに決まったのですか?
山本さん:そうですね。僕は趣味でバイクが好きなんですけど、ちょっと古くてサビサビの汚いバイクに乗っているんですよ。
そういったバイクや車を「ラットスタイル」と呼ぶんです。そこからのつながりと、自分の干支を重ねました。
高崎:ご自身もちょっとネズミっぽい雰囲気がありますもんね(笑)。
山本さん:よく言われますね(笑)。
光善寺で幅広い世代が通える理容室へ

村西:枚方市、あるいは光善寺という場所で創業することのメリットを教えてください。
山本さん:メリットは、光善寺や枚方市全体で都市開発が進んでいて、目に見えるくらい人がどんどん増えてきている状況だということです。若い層の方も増えています。
散髪に4〜5千円払うのであれば、うちに来て半分の金額で、1カ月から1カ月半の間に2回通ってもらえたら、という考えで料金を設定しています。
村西:先ほど若い層というお話もありましたが、具体的なターゲット層は決めていらっしゃいますか?
山本さん:子どもさんからお年寄りまで、もちろん女性も来ていただけます。
村西:では、反対にデメリットや課題として感じている部分はありますか?
山本さん:デメリットは、開発が進むにつれて、人の流れも変わってくるという点です。
今の状況でしか判断できていない部分があるので、今後、光善寺という街が仕上がったときに、人の流れがどう動くかというところが課題になってくると思います。
村西:開業を迎えるにあたって、現在直面している課題などはありますか?
山本さん:物価高騰による材料費への影響や、職人さんの手配などで、予定どおりに進みにくい部分はあります。ただ、そこは臨機応変に対応していきたいと思っています。
村西:ご自身がお店をされていく上で、今の段階で不安などはありますか?
山本さん:不安はないですね。もう場所さえできれば、早く始めたいとワクワクして楽しみにしています。
開業はゴールではなく、店を継続していくスタート

村西:これからについてお伺いします。ご自身のビジネスで達成したい目標はありますか?
山本さん:僕も今こうやって、自分のお店を持つという目標をクリアできそうなので、今度はこれを継続させるという部分が課題になってきます。
今まではずっと雇われていた側なので、常に朝「おはようございます」と言って、「お疲れさんでした」で帰るという、ただ仕事をしに行くだけの日常だったんです。
でもこれからは、お客さんの施術をしながら、お店をどうやって組み立てていくかという経営とか、若手スタッフが入ってくれば、後輩の育成にも手をかけていかなければならない。
そういった仕事の取り組みを変えていかなければならないと考えています。
村西:ご自身がただ現場に立つだけでなく、お店の経営と後輩の育成にも関わっていくことが必要ということですね。
山本さん:そうですね。人の育成や教育、そしてそれに伴うビジネスや経営について、勉強しないといけないですね。
そこはまた高崎さんにも質問しながら、商工会議所の会員にもなって、常に新しい情報を取り入れたいと思っています。
自分の課題と若手スタッフの育成を両立していきたいです。いずれはスタッフも雇いたいので。
村西:かなり具体的に、今後のビジョンが見えていらっしゃいますね。
40代で開業を目指す人へ

村西:どのような人に、ひらっくの経営相談を勧めたいですか?これから経営相談を受けられる方に向けて、アドバイスをお願いします。
山本さん:僕の周りには、同じくらいの年代で「開業したい」という人が結構多いんですよ。
ずっと仕事の実績を積んできた方が多いので、やっぱり自分のお店を持ちたいという方が多いんです。
村西:差し支えなければですが、山本さんはおいくつでしょうか?
山本さん:42歳です。40代くらいの方が、やっぱり開業したいというお話を聞きますね。
美容学校や理容学校に行く子は、みんな「自分の店を持ちたい」から学校に行って、免許を取るというのが、最初のスタートだと思うんです。
「あそこの店に勤めたいから」美容学校に行くということは、あまりないと思うんですよ。
最初のスタートは、みんな同じです。僕は40歳を過ぎてからなので、正直遅い方かもしれません。
早い方は20代後半で独立される方もいらっしゃいますし、そこは良し悪しで内容が異なってくるとは思うんですけどね。
村西:そういった、同年代で開業を目指す方々へ伝えたいことはありますか?
山本さん:自分たちだけで動かないで、こちらに相談しながら進めた方が近道だし、安心して開業に進められるということを伝えたいですね。
ちょっとしたことでも相談できたら、また違った視点を得られるので、開業を考えた時には、まずはひらっくさんに皆さん相談したらいいと思います。
おまけ:8年間使い続けるオリジナルのシザーケース

村西:これまでに読んだ中で、最も影響を受けた本はありますか?映画やポッドキャストなどでもいいのですが。
山本さん:申し訳ないですが、映画も漫画もほとんど見ないし、本も読まないんですよ。
村西:では、影響を受けた著名人や言葉などはありますか?
山本さん:散髪屋になったきっかけでもあるのですが、ある上司を通して、「この人を頼りにすれば間違いない」という方にお願いして、ずっと指導を受けてここまで来られたんです。
見習いの頃から仕事の指導をしていただいた方には、やっぱり感謝しています。
高崎:今日、お仕事で使っているアイテムを持ってきてくれていますよね。
村西:すごい。間近で見るのは初めてかもしれないです。ずっと使っていらっしゃるものですか?
山本さん:はい。年季が入っていると思うのですが、これは革細工が趣味のお客さんが作ってくれたシザーケースなんです。
「これ作ってくださいよ」とお願いして、オリジナルで作ってもらいました。もう8年くらい使っています。

村西:中にも仕切りがちゃんとあって、かっこいいですね。
では、インタビューは以上となります。本日は貴重なお話をありがとうございました。

Instagram:https://www.instagram.com/westrats.barber/
編集後記
山本さんの「不安はない」という言葉が印象に残りました。
創業への動きが一度は止まっても、その半年間をただ待つ時間にはせず、奥様に家計管理を任せ、自身は仕事に集中して自己資金を準備。その間も、ひらっくに何度も相談しながら、一つずつ課題を整理してこられました。
「不安はない」と言えるのは、不安になる要素を行動によって減らしてきた結果なのかもしれません。
2026年8月、光善寺で始まる「west rat's」。どのようなお店になっていくのか楽しみです。
引用:
